BLDerになりたい

けいてぃのブログ

PB表

CubePBに記録していたデータが消えていたのでこちらに載せておきます。(PB更新したら随時書き換える予定)

  single mo3 ao5 ao12 ao50 ao100
3×3 6.92 - 9.51 10.66 11.35 11.60
2×2 2.81 - 4.38      
4×4 33.43 - 38.93 42.05 44.67 45.98
5×5 1:14.22 - 1:23.80 1:28.53 1:33.69 1:35.04
6×6 3:21.07 3:48.32        
7×7 5:57.77 6:59.74        
             
3BLD 21.56 24.42 27.01 30.72    
4BLD 6:22.38 6:52.73 7:32.51      
5BLD 15:14.82          
MBLD 14/14 58:00.81          
             
OH 12.95 - 19.19 20.30 22.30 22.72
Skewb 2.34 - 5.54 6.59 7.48 7.94
Square-1 18.69 - 26.52      
Pyraminx 1.92 - 5.91 7.13    
Megaminx 1:12.61 - 1:20.52 1:24.85 1:29.38 1:31.78
Clock 6.55 - 8.45 9.53 10.11 10.91
FMC 30   - - - -

3BLDを10秒で記憶したい!

こんにちははじめまして、けいてぃと申します。(Twitter: @keit_cube)

この記事はSpeedcubing Advent Calendar 2021の11日目の記事です。

昨日の記事は、鉄Cuberさんの「OH Rouxを練習してみて
明日の記事は、ノムノムさんの「パリティ回すのが楽しくなる!パリティ回してる間にできる先読み」です。

この記事では、3×3×3 目隠し(以下 3BLD)の主に記憶パートを速くするにあたって、私が意識したことや実践してきたテクニックをお伝えしていきたいと思います。

 

 

はじめに

まずは簡単に自己紹介を。大学からキューブを始めてもう5年が経ちました、現在は静大浜松ルービックキューブサークル(通称 はまきゅ~)に所属しています。
好きな種目は3BLD! PBはそれぞれ、
公式 single / mo3 = 51.16 / 1:49.18
非公式 single / mo3 = 22.22 / 26.38 です。(BLDの大会どこかにありませんか(;o;))

 

3BLDに限らず、BLD系の種目を速くするためには記憶と実行の両方を成長させていく必要があります。どちらも超重要な要素ですが、今回は記憶のことについて解説していきたいと思います。ほとんど私の経験則を基にした説明になってしまいますが、BLD経験者・これからBLD始める方の何かの参考になれば幸いです。

この記事の内容はBLDノータッチだと少しわかりにくいかと思うので、BLD未経験の方はまずはこちらの解説記事・動画から見てみるのが良いと思います。
望月さんのM2/OP解説記事BLD講習会資料まっさんさんのYouTube動画解説


記憶について思っていること

まず大前提でお伝えしたいのが、人間の記憶能力にはかなり個人差があり、その人に合った記憶方法を成長させるのが良いということです。
(極端な例ですが)20文字音記憶できたり、逆に音記憶できなくて全部ストーリー記憶したり・・・
もしかしたら自分に隠れた記憶能力があるかもしれないので、まずはいろいろな記憶方法を試してみることをオススメします。

自分に合った記憶方法を見つけたら、その方法で練習を続けてみてください。

これは完全に私の感覚ですが、BLD始めて2年くらい経ったくらいから、自分の脳みその中にBLD用の記憶回路が新たに形成されたような感覚がありました。記憶タイムを短くするために薄~い記憶で実行に入っても、問題なく想起できることが増えてきています。

1つの方法を極めることで脳も慣れていき、何かしらの変化が起こるはずです。
そのためにはまずは練習あるのみです! 結局脳筋じゃん

やっぱり速くなるためには練習するしかないですが、練習効率を良くすることはできます。
この記事で紹介するのは、記憶がちょっと楽になったり、思い出しやすくしたりなど、3BLDのための短期記憶を手助けする小技たちです。

また、記憶についての記事として、NR holderのおとさんの記事がCube Voyageに掲載されています。とても参考になる記事たちですので、超オススメです。

cubevoyage.net

3BLDのやり方

3BLD習得している方のほとんどは、コーナー記憶⇒エッジ記憶⇒エッジ実行⇒コーナー実行の順番で記憶・実行していると思います。
次の①~⑥のフローが本記事で想定している3BLDのやり方です。

①コーナーをストーリー記憶
②COを足記憶
③エッジを音記憶
④EOをビジュアル記憶  ↑分析・記憶パート↑  
⑤エッジ・EO実行              ↓実行パート↓
⑥コーナー・CO実行
☆完成!

私は初成功時から今に至るまで、この流れで3BLDをやり続けています。(②のCO記憶はタイムが1分くらいの時期にビジュアル記憶から足記憶に切り替えました。)

ここからはそれぞれの①~⑥について詳しく説明していきます。

①ストーリー記憶(コーナー)

まずコーナーをストーリー法で覚えます。ストーリー法は分析文字を2文字ずつレターペアに変換して、レターペアからイメージを組み立てて記憶を強固にする方法です。3BLDではレターペア2つで1イメージを作る人が多いと思います。

例えば分析文字列が「たぬむか うしひか 」だったとします。
この文字列から作るストーリーは「タヌキがムカついている」+「牛が光っている」とかが考えつきますかね?

ここで私がストーリー記憶で意識していることが2つあります。

・レターペアは基本的に名詞のみ(具体的に立体物をイメージできるもの)
・前後のレターペアを強弱(上下)関係に変換してイメージする

たとえば前述のイメージでは「名詞+動詞」の形になっているため、「タヌキがムカついている(たぬむか)」と「ムカついているタヌキ(むかたぬ)」のイメージが混同して想起ミスしてしまう恐れがあります。
これを解消するために、私は「むか」のレターペアには「ムカデ」を採用して、イメージを「(名詞)>(名詞)」という形にします。

つまり、「たぬむか」なら「タヌキがムカデを引きちぎる(タヌキ>ムカデ)」というイメージを組み立てています。逆に「むかたぬ」をイメージ化すると、「ムカデがタヌキに巻き付く(ムカデ>タヌキ)」という形になります。

ちなみに「うしひか」は「牛がピカチュウ上から押しつぶす」というイメージにします(ごめんピカチュウ...)。前にある名詞を(物理的に)高く配置して上下の位置関係も付加することでより具体的なイメージになります。

※「名詞+動詞」だと混同してしまうと上に書きましたが、ナンバリングの全組み合わせ(=378通り)にそれぞれ「前に置く用レターペア」と「後ろに置く用レターペア」を割り当てると混同を無くすことができます。

例.「うしひか」⇒「牛が光る」
  「ひかうし」⇒「ピカチュウがうじゃうじゃいる」

これには378×2=756個のレターペアが必要ですが、メモリースポーツでPAシステムやPAOシステムを使っている人なら楽に導入できるのでしょうか…?詳しい方がいれば教えてください。※ココマデ

 

「たぬむか」と「むかたぬ」のイメージをそれぞれ図にしてみました。

f:id:keitcube:20211208233725j:plain

前半のレターペアが後半のレターペアに強気のアクションを起こすイメージです。レターペアの力関係を意識しながらストーリーを作ることで強固な記憶になります。また、これは私の記憶のクセなのですが、少々バイオレンスな方が力関係がわかりやすく・強烈なイメージになりやすいので個人的にオススメしてます。

コーナー記憶はここまでを一読で行うのが目標です(*一読:パーツを見返さずに、一巡で記憶すること)。慣れてくるとイメージが湧いてくるスピードが上がってくると思います!

ストーリーができあがったら復習をするのですが、私はエッジのパーツを追いながら復習しているので詳しくは③の音記憶のところで説明します。

②足記憶(CO)

先ほど①~⑥のフローでCO記憶はコーナー記憶の後と書きましたが厳密には違くて、①の終了時点でCO記憶も終わっているのが理想です。つまり、コーナーのステッカーを辿っていく間にCOも一緒に記憶してしまいます。ここで使うのが足記憶です。

ここからは私が使用している足記憶のやり方を説明します。まず次図の2つのCO状態を考えてみます。ここで基準面はU面白・F面緑で説明します。バッファはUFR・UBL・DFRどれでも大丈夫です。

COの認識には、パーツが時計回り/反時計回りかを認識する方法と、パーツのU/D面色が縦横どちらを向いているかで認識する方法がありますが、この記事では後者の方法を想定しています。

ⅰ)UFL(縦)     ⅱ)UFL(横)*1

COの記憶では、「COが発生している場所」と「U/D面色が縦横どちらを向いているか」の2つを覚える必要があります。足記憶ではこの2つを「足を置く位置・つま先の高さ」と「足首のひねり」に対応させます。
例えば上図のキューブを見ると、 ⅰ)の場合は「UFL」のU面色の白が「手前」を向いているので、足の状態は「左足を膝の真下に置いてつま先を上げ正面に向ける」という形にしています。
逆に ⅱ)ではUFLパーツの白がを向いているので、「左足を膝の真下に置いてつま先を上げ、さらに左にひねる」という形になります。(こんなん足つるでしょ)

雑にイメージ図を描いたので載せておきます。

図のようにパーツの位置に対応させた場所に左右の足を配置して、つま先の上下でU面・D面のどちらか選択、そして左右のひねりでU/D面色の向きを確定させます。これだけでCO1つ発生の14パターンを網羅できて、両足をうまく使えばCO2つ発生時にも対応できます。

ⅲ)UBR(縦)+DFL(縦)        ⅳ)UBR(縦)+DFL(横)

もう2つ例を出します。 ⅲ)ではUBRで白ステッカーが縦&DFLで黄ステッカーが縦を向いているので、足は「右足を前方に置いて、つま先を上げて正面に向ける」&「左足を膝の真下に持ってきて、つま先を下げて正面に向ける」という状態になります。
一方 ⅳ)はDFLで黄が横を向いているので、右足はⅲ)と変わらず&「左足を膝の真下に持ってきて、つま先を下げてさらに左にひねる」という形です。ちなみに ⅲ)は単独2CO、 ⅳ)はバッファを含む3COになります。

最後にCOが発生していない場合についてですが、私はCOが「ない」ことも記憶するために足を交差させた状態にしています。交差させることで足の移動による記憶違いを防止できて、さらにCOがないことがあらかじめ触覚でわかるので、コーナーの実行終了後スムーズにタイマーを止めることができます。

③音記憶(エッジ)

エッジは音記憶で覚えます。音記憶は分析文字列を呟いて耳から覚える方法で、超短期記憶ですが、頭を使わずに素早く覚えられます。

エッジの文字数は大体10~12文字です。これを全て音記憶でまかなおうとすると実行中に記憶が揮発してしまうので、私は最初の2文字を指で押さえることで文字化させないで記憶しています。(ここは4文字にしたり、最後の2文字にしたりで色々工夫があるようです)

①のストーリー記憶の説明でも最後に触れましたが、私はこの最初の2文字を押さえるタイミングでコーナーのストーリーの復習をしています。エッジバッファ⇒1パーツ目⇒2パーツ目と押さえていく1秒くらいの間でコーナーで記憶した2つのイメージをパッ、パッと思い浮かべる感じですね。

ここまで来たらついに終盤です。残りの10文字程度を呟きながら音記憶していきます。エッジもコーナーと同じく一読で記憶します。素早くパーツを追って読み上げ、音記憶が揮発しないうちに実行に入ることを心がけましょう。エッジはスピード感が命です!

音記憶で気を付けることとして、私は「読み上げるときに子音をはっきり発音する」ことを意識しています。例えばよく音を混同してしまうひらがなに「あ」&「な」、「し」&「ち」、「に」&「み」などがあります。これらのひらがなのように母音が共通していて、かつ子音の区別がつきづらい文字をナンバリングに多く含んでいる人は、子音を特に強調して読み上げると良いでしょう。
それでもミスが多発してしまうのならナンバリングを変更するのもアリかもしれません。実際、私もエッジナンバリングの「た行」を「は行」に、「な行」を「ま行」に変更した経験があります。

④ビジュアル記憶(EO)

EOは文字化させず、視覚情報だけで覚えます。特に小細工はないのでがんばって覚えましょう・・・

EOは発生場所を覚えるだけでいいのでCOと比べて少し楽です。
もし忘れてしまったとしても、実行パートでエッジ手順を回していないパーツを意識することで、EOの場所のヒントになるかもしれません。

EOに関した話なのでここに書きますが、私はエッジ分析法を工夫して、EO発生の有無の確認や、DBのEOの透視をできるようにしています。
このテクニックはSakakiさんのブログにて詳しく紹介されていますので、ぜひ読んでみてください。
DBのEO透視ができるとチョット嬉しい!

・エッジ分析テクニックについて Sakakiさんの記事

sak-cube.hatenablog.jp

⑤・⑥実行

実行パートの記憶の想起について簡単に説明します。

実行パートではM2/OP・Orozco・3-Styleなどの使用している解法が重要だと思われがちですが(もちろん重要)、どの解法においても共通して、「記憶の先読み」が速くなるために欠かせない要素です。目隠ししていても先読みが重要なのは変わらないですね、スピードキューブなので。

以下実行パートの流れです。
⑤ 実行パートに入る直前に、指で押さえたステッカーを確認し、目隠しをして速やかにそこの手順を実行します。エッジ実行中は音記憶が揮発しないようにとにかく爆速で実行です。ここで手順を回している時、常に次の文字を思い浮かべていきます。エッジ実行パートの最後の手順になったら、今度はコーナーのストーリーを思い浮かべて、エッジ・コーナー間のラグを0にしていきましょう。
⑥ コーナー実行中もエッジと同じように常にストーリー・イメージの先読みをして、手が止まらないようにしましょう。COがある場合は、足が変な配置になっているのでそこからCOの状態を読み取ってCO解消手順です。足が交差している場合はCOがないので、そのままタイマーストップです。

ここまでの①~⑥の流れをイメージ図にしてみました。重なっている部分は同時進行で行うアクションです。

f:id:keitcube:20211206074556j:plain



最後に

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

タイトルに10秒で記憶したい!なんて書きましたが、私も記憶sub10できることは稀で、現在は記憶10~13秒くらいの実力です。まだ縮められるところがたくさんあるはずなので、これからも精進していきたいですね。

BLDの記憶法は競技者ごとに様々ですが、この記事で紹介したテクニックの中で自分の記憶法に取り入れられるものがあれば嬉しく思います。

それでは良いBLDライフを!

 

記事公開前にplusさんに内容を確認していただきました。
この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございました。

f:id:keitcube:20211204151954p:plain

この記事公開日の12/11には、日本で1年ぶりのWCA大会となる「Tokai Winter AM/PM 2021」が愛知で開催されますね。私は大会実行委員として携わっていますが、夏に中止になってしまったこの大会の復活を近くで見ているとなんだか感慨深いです。Delegate・実行委員の皆さんにはたくさんお世話になりました、本当にありがとうございます。

大会に参加される方々とお会いできるのも楽しみにしています!来年からはたくさん大会ができるようになるといいですね・・・!

おわり

*1:http://cube.rider.biz/visualcube.phpで生成しました。

3BLD single 22.22

ブログはじめました!

テスト記事として、この前出した3BLDのsinglePBのreconstructionを書いてみます。

3BLD single 22.22 =10.86+11.36

f:id:keitcube:20211123012710p:plain
↑ゾロ目でいいカンジ

Scramble: U R' F' D R' D B' D F R2 B2 U F2 L2 D' B2 U' F2 R2 U' B2 Rw2 Uw

Reconstruction:
//記憶[10.86]
y' (U面黄 F面青)
//エッジ
UF LF BR  [R':[R' E R, U']]
UF LD RD  [R' F R':[S', R2]]
UF BD RU  M2 U M U M' U M U M
UF FR UB  [R' U':[R2, S]]
UF BL DF  [U' L U':[M', U2]]
//コーナー
UFR BDL DBR  [U R:[D2, R U' R']]
UFR LDF UBL  [U2, R' D R]
UFR UFL RDF  [R' D' R, U']

71moves/11.36=6.25tps
使用キューブ: GAN12 Maglev UV

文字数にして10+6文字の神スクランブルでした。最後の2連ピュアコミュテータがめちゃくちゃ回しやすい!
これが9か月ぶりのsingle更新だったので、またしばらくはラッキースクランブルを祈る日々が続きそうです...